譲渡
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2022/05/30

【シリーズ】前略、後継ぎをお探しのオーナー社長さまへ  Vol.1_『概要書』で企業価値をUP!

記載者情報
更に「中小M&A」が事業承継の有効な手段となるために
経済産業省が策定し2019年12月に公表した「第三者承継支援総合パッケージ」には、≪黒字廃業の可能性のある中小企業について、その経営資源を次世代の意欲ある経営者に承継・集約する≫ことにより、≪官民の支援機関が一体となって「10年で60万事業者(年間6万事業者)」を救う≫といった旨の記述があります。 近年、「中小M&A」の成約件数は増加し続けていますが、それでも「年間6万事業者」といった目標値とは乖離している状況です。 私は、中小企業のオーナー社長の中には、M&Aによる「第三者事業承継」について、まだ懐疑的な見方をされている方が少なからずおられるように感じています。 そして、その背景には、中小M&Aの「売買価格の決定プロセス」において、「非財務情報」が十分に反映されておらず、同業他社における売買価格の実績値などを参考にする程度で、あとは「財務情報」を中心とした評価に偏りがちになってしまっていることに対する懸念がある、と推察しております。 より多くのオーナー社長が「廃業」という選択をせず、中小M&Aを有効に活用して「ハッピーリタイアメント」を手に入れていくためには、「アドバイザー」が『(売り手)企業の概要書』を作成支援する際に、これまで以上に「非財務情報」とりわけ「知的資産」が正確に、かつ、十分に伝わるように工夫していくことが大切である、と考えております。
『概要書』作成のポイント
「知的資産」とは、特許権・実用新案権・著作権などの「知的財産権」やブランド・ノウハウなどの「知的財産」のみならず、「経営理念」「組織力」「人材」「技術」「顧客や取引先等とのネットワーク」など、≪財務諸表には表れてこない目に見えにくい経営資源の総称≫を指します。 大企業と比べて財務基盤がぜい弱な中小企業においては、固有の「知的資産」こそが、会社や事業の「強み」や「魅力」であり、「競争力の源泉」となっています。 「知的資産」は、「人的資産」「構造資産」「関係資産」の3つに分類されます。 ・「人的資産」:役員・従業員などのヒトに固有の知見など、そのヒトの退職に伴って社外へ流出するもの ・「構造資産」:マニュアル化したりすることによって、組織全体の知見となったもの ・「関係資産」:社外のステークスホルダー(例えば、仕入先などの取引先)との関係に起因する自社の「強み」のこと アドバイザーが『(売り手)企業の概要書』を作成支援する際には、次の1~3の3つのポイントを抑えておき、デューデリジェンス(DD)までには4及び5に対応されることをおススメします。 1.会社や事業に存在する「知的資産」を認識し、「人的資産」「構造資産」「関係資産」に分類して、「強み」や「魅力」について説明する 2.知的資産がどのような組合せて活用され、収益に繋がっているのかについて説明する 3.収益を増やしていくため(又は、収益を確保していくため)に、どの様な「経営資源(リソース)」が不足しているのかについて説明する + 4.前1~3について、できる限り「財務情報」に基づいて根拠を示す 5.「見える化」するために写真やビデオ、グラフ等を用いたビジュアル的な補足資料を用意する
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スカイ・スクラッパーズ株式会社 https://sky-s.com/ バトンズM&A相談所 大阪本町センター店 https://batonz.jp/adviser/our_ma_counseling_offices ●担当:田村
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