法務・労務
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2022/08/01

【シリーズ】外国人人財の採用・雇用そして登用_ Vol.1「2025年問題」と外国人の受入れ

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「2025年問題」における経営課題は「後継者不在」だけではない
「2025年問題」とは、「第一次ベビーブーム」の1947年(昭和22年)〜1949年(昭和24年)に生まれた「団塊の世代」が、2025年に75歳以上(「後期高齢者」)となり、人口の2割近くが後期高齢者となることで起こる様々な問題を総称した言葉です。 BATONZの会員やアドバイザーの皆さまは、既にご存じのとおり、<2025年までに、約245万人の経営者が平均引退年齢である70歳を超え、その約半数の127万者(全企業の1/3)が「後継者不在」であると推定されており、差し迫る「大廃業時代」を回避するための効果的な手法が「第三者承継(引継ぎM&A)」である>と考えられています。 しかしながら、2025年問題による中小企業や小規模事業者の「経営課題」は、後継者不在だけではありません。 2025年問題の根底にある<少子超高齢・人口減少社会>により、今後はますます「人材不足」「人手不足」が深刻化します。 特に、地方においては、中小企業や小規模事業者の多くが、地域の社会や経済に密接に関わっており、住民が安心して暮らし続けられるために欠かせない存在となっています。 また、中小企業や小規模事業者の従業員は、企業活動の担い手であると同時に、生活者としても地域経済を支えています。 中小企業や小規模事業者の「後継者不在」と「人材不足」「人手不足」は、ともに切り離して考えることのできない危急の「経営課題」です。
「外国人人財」を積極的に採用・雇用そして登用する時代
近年では、積極的に「外国人人財」を採用し、大切に育成し、戦力化に成功している中小企業や小規模事業者の事例が増えてきました。 その一方で、外国人を受入れた経験がないため、まだ最初の一歩を踏み出せないでいる経営者も多い状況です。 また、既に外国人を受入れている企業においても、「安く使える労働力」との誤った認識のもと、劣悪な労働条件で勤務させているような場合もあります。 「外国人住民」との共生社会の実現に向けた環境整備などの取組みは、国よりも地方自治体が先行しており、先進的な取組み事例が多くみられます。 2019年4月1日、「法務省」の補助機関(内局)であった「出入国管理局」が、省と並ぶ国の行政機関である外局の「出入国在留管理庁」となり、それを機に、国も地方自治体と連携して、外国人住民との共生社会の実現に向けた支援策の充実に積極的に取組み始めています。 いま正に、中小企業や小規模事業者が、「外国人人財」を積極的に採用・雇用そして登用していく時代を迎えています。 中小企業や小規模事業者の経営者にとって、「第三者事業承継」と同様に『「外国人人財」の積極的な採用・雇用そして登用』は、2025年問題を背景とした最重要レベルの経営課題です。 今後は、経営者を支援するアドバイザーにおいても、「第三者事業承継」に関わる支援と『「外国人人財」の積極的な採用・雇用そして登用』に関わる支援は密接に関わってきます。
【シリーズ】外国人の採用・雇用そして登用 の執筆に際しまして
大阪府及び大阪市は、2022年度より、中小企業の人材確保の解決支援として、さまざまな「在留資格」に基づいた外国人材の採用マッチング支援を行うことを目的に「大阪外国人材採用支援センター」を設立しました。 大阪外国人材採用支援センターの事務局は、「公益財団法人大阪産業局」に設置され、「外国人材」の受け入れに関する企業からの相談に対し、経営課題と採用ニーズのヒアリングを行い、解決に向けたアドバイスを行うとともに、適切な支援機関への取りつなぎまで外国人材の採用マッチングをワンストップでサポートします。 私も、この事業の「コンサルタント」として、大阪府内の中小企業や小規模事業者からの「外国人材」の受け入れに関するご相談に対応させて頂くこととなりました。 https://www.gaikokujinzai-osaka.jp/ 私は、経営コンサルタントとして14年目、行政書士としては9年目になります。 「バトンズM&A相談所 大阪本町センター店( https://batonz.jp/counters/826 )」の運営もさせて頂いております。 当店では、M&Aによる会社や事業の譲渡に限定せず、「2025年問題」を背景とした様々な経営課題についてのご相談に対応させて頂いております。 しかしながら、「2025年問題」を背景とした経営課題は多岐に渡るため、その全てに対し、私ひとりで適切なサービスを提供できるものではありません。 多様な背景やキャリアをお持ちのM&Aアドバイザーの皆さまとの連携によって、より良いサービスをご提供して参りたいと思っております。 私自身は、M&Aアドバイザーを含む経営コンサルタントの活動と並行して、ICT法務サポート行政書士事務所( https://www.ict-ls.com/ )を開業し、行政書士として〝外国人の在留資格申請〟に関わる業務にも専門的に取組んでおります。また、経営コンサルティング会社であるスカイ・スクラッパーズ株式会社( https://sky-s.com/ )では、「有料職業紹介業」の許可も受けております。 ぜひ、気軽にご相談・お問合せください。 https://batonz.jp/counters/826 電話:06-6786-8476 さて、次号以降では、〝外国人人財の採用・雇用そして登用〟に関わる具体的な情報をお伝えして参ります。 Vol.2は、「就労できる在留資格」について採り上げる予定です。 ぜひ、引き続きご一読頂ければ幸いです。
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